弦の端を固定すると、何が変わるか。

長さ L の区間を考え、両端で値がゼロになる関数を探します。もっとも簡単な固有値問題の一つですが、境界条件が許される振動を選び出す仕組みが、はっきりと見える例です。

−f″(x) = λf(x), f(0) = f(L) = 0

λ が正のとき、解は正弦と余弦の組み合わせになります。x = 0 の条件から余弦の項が消え、x = L の条件から正弦の引数が整数倍の π であることが求められます。ゼロ関数を除くと、n は正の整数です。

許される振動は、離散的になる。

fn(x) = sin(nπx/L)
λn = (nπ/L)², n = 1, 2, …

区間の長さを二倍にすると、各固有値は四分の一になります。形のスケールが、演算子の固有値に反映されているわけです。ここで扱っている λ は −d²/dx² の固有値です。波動方程式での角振動数を求める場合は、波の速さ c を含めて ωn = c√λn と読み替えます。

境界から、幾何へ。

端の値ではなく微分を固定する条件や、両端をつないだ周期境界条件にすると、許される関数の集合が変わります。特に周期的な場合、複素指数関数によるフーリエ展開との関係が自然に現れます。

高次元の領域や曲がった空間へ進むと、二階微分はラプラシアンに置き換わります。単純な区間で確かめた「空間と境界がスペクトルを決める」という見方が、スペクトル幾何への入り口になります。

前提:L > 0、滑らかな関数、ディリクレ境界条件。固有関数の全体の定数倍は任意です。
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運動を、位相空間に描く
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