位置だけでなく、運動量も見る。
質量 m、角振動数 ω の一次元調和振動子を考えます。位置 q と運動量 p を座標にすると、状態は平面上の一点として表せます。この平面が位相空間です。
H(q, p) = p²/(2m) + mω²q²/2
ハミルトニアン H は、この例では運動エネルギーと位置エネルギーの和です。ハミルトン方程式を使うと、位置と運動量の時間変化を一つの関数から取り出せます。
保存量が、軌道の形を決める。
q̇ = p/m ṗ = −mω²q
時間に陽に依存しない H について、軌道に沿った変化を計算すると dH/dt = (∂H/∂q)q̇ + (∂H/∂p)ṗ = 0 になります。したがってエネルギーは一定です。
H = E > 0 の等高線は位相空間で楕円になります。位置と運動量の変数を適切なスケールで取り直すと、これは円として描けます。ただし、円になること自体は座標の選び方によるもので、元の物理量が同じ単位をもつわけではありません。
方程式の背後にある構造。
この例で重要なのは、解の公式だけではありません。保存量が運動を制約すること、位置と運動量が組になって現れること、そして状態空間全体を一枚の図として眺められることです。
次の段階では、正準変換やシンプレクティック形式を学ぶことで、座標の選択に依存しない見方へ進めます。基本的な計算を幾何の言葉で読み直す、その最初の一歩になります。
前提:m > 0、ω > 0。摩擦や外力のない古典的な一次元調和振動子を扱っています。
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